安芸郡の住宅団地の高台に建つ住宅のリノベーション。

建主は親族からこの住宅を譲り受け、見晴らしの良いこの立地でDIYを楽しみながら生活されていたが、耐震補強や生活の向上を考え、築45年程の住宅をフルリノベーションして住み継ぐことを決断された。

既存の住宅は、キッチンや居間・各スペースがそれぞれ区切られ、それらを廊下でつなぐ中廊下型の間取りで、それぞれにつながりが無くぶつ切りにされたスペースは、生活動線的にも不便さを感じるものであった。

そこで、廊下を無くし各スペースを直接つなげ、ゲート状の開口を開けた壁で程良く空間を分けることによって、回遊性を持ちつつ各スペースの独立性と共有性の両立を実現させた。

耐震補強は古くなった基礎の内側に抱き合わせた立上り基礎とベタ基礎を設け、劣化の厳しい箇所には炭素繊維シートにてさらに補強を施し、金物や耐力壁による補強も併せて行った。

そして構造上撤去する事の出来ない露出する柱は、敢えて着色してアクセントとすることによって空間に彩りを与えた。

断熱等の省エネ性能についてもフラット(金利A)の省エネ性以上となるよう補強を施し、安心して快適に住まえる住まいへと姿を変えた。